出石の郊外、奥山地域に昭和初期まで稼働していた金山跡があるのはご存知でしょうか?皿そばや城下町といった山村の情緒が残る「もう1つの出石」奥山にある、金山跡を取材しました。
出石の郊外・奥山地区とは
わずか10数戸の小さな集落 奥山
豊岡市の出石町といえば、名物の「出石皿そば」や「但馬の小京都」とも呼ばれる、風情ある町並みが有名ですよね。今回ご紹介する奥山地区は、一般的な出石のイメージとはまったく違う、のどかな山村地域。出石の中心街から南に約10㎞ほど、朝来市方面へ抜ける途中に広がるのどかな集落です。
山間には清らかな小川が流れています
奥山の金山跡はまるで某RPGのダンジョン!?

奥山地区には、江戸時代に金の採掘が行われていた鉱山の痕跡が数多く残っています。かつては、この金山で掘り出された金を出石藩を治める山名氏へ献上していたそうです。
今回紹介するのは、金山跡の中でも内部が整備されている「立町金山」。整備されているといっても、生野銀山や明延鉱山と違って観光客向けの案内板などは一切設置されていません。さながら有名RPGゲームのダンジョンのような雰囲気を味わえますよ。
奥山金山へ行く前に!集落の人へひと声かけよう
奥山の金山には受付や料金所は設置されていませんが、安全管理のために集落の方へ一声掛けてから入山するようにしてください。
奥山のことならなんでも!「手打ち蕎麦 剣」の川見さんを訪ねよう
金山への入山や奥山観光の際には、集落で唯一の店舗である「手打ち蕎麦 剣」さんを訪ねましょう。金山へ入る際の注意事項や奥山の魅力について、優しく丁寧に教えてくださいます。

挽きたて・打ち立て・湯がきたての蕎麦は絶品!
出石焼に盛る出石皿そばとは違う、竹の器に盛るスタイルのお蕎麦。「挽きたて」「打ち立て」「湯がきたて」を信条としていて、コシ・蕎麦の風味ともに抜群です。金山へ行った後は、ぜひご賞味ください。田舎蕎麦 800円 忍者蕎麦900の他、猪肉を使ったシシ丼もありますよ。
いざ、金山攻略へ! ※片道20分程度
金山までの道中には美しい川が流れる
今回は「手打ち蕎麦 剣」ご主人の川見さんにご案内して頂きながら、集落から金山探索へ。道中には、かつて採掘した鉱石を削ったあとが残っています。
■金山へ行く際に用意するもの
奥山の金山へ行く際には、安全のために以下のアイテムを用意しておきましょう。
・ヘルメット
→鉱山内部で頭をぶつける可能性があります。
・懐中電灯
→鉱山内部は真っ暗です。
・鈴(音が鳴るもの)
→獣除けに鈴か音が鳴るものを持ち歩きましょう。
・長靴
→鉱山内には水たまりがあります。スニーカーでも不可能ではありませんが、長靴の持参が無難です。
採掘した鉱石を削って金を抽出した跡が残っています
美しい一枚岩が印象的な小川のせせらぎを聞きながら歩く道中。城下町散策とは違った情緒がありますね。
採掘した鉱石を下へ降ろすための設備も残っています
ところどころに、採掘した跡が…
金山の入り口に到着!
こちらが金山の入り口。地元の方が設置した看板がありますが、地元の方が同行している場合や許可を得ているのであれば、くぐってしまってかまいません。
鉱山内部は真っ暗なので懐中電灯必須です
金の成分が含まれているのか、壁や天井が輝いているように見えます
頭をぶつけないように気をつけて
湧水が汲める場所も
鉱山内部は約15年前に整備されたため、落盤のリスクは低くなっています。ただし、天井は低いのでヘルメットは必須です。江戸時代に最盛期を迎え、その後昭和初期まで現役で稼働していた金山。奥山の人々も金山で採掘業務に従事していましたが、閉山と共に別の地へと移り住んでいったそうです。そんな歴史の移り変わりや哀愁を感じられる金山に、ぜひ足を運んでみてくださいね。
東京都出身の豊岡市地域おこし協力隊。皿そばで有名な出石城下町の魅力発信を担当。たじまっぷ編集長として、豊岡を含めた但馬地方の魅力を日々発信していきます。
過去の経歴:不動産会社勤務→世界一周→ライター・SEO