兵庫県伝統的工芸品および豊岡市無形文化財に指定の城崎温泉の伝統工芸「城崎麦わら細工」とは?

細かい手仕事により、美しい模様を作り出す、麦わら細工。大麦のわらを原料とし、色とりどりに染めた麦わらを開いて桐箱や色紙に一つひとつ丁寧に貼り付けながら模様や絵を仕上げていきます。
麦わら細工の歴史は古く、江戸時代中期に因州(現在の鳥取県)の住人”半七”という人が、湯治のために城崎温泉を来訪。半七は宿賃の足しにと、さまざまな色に染めた麦わらを竹笛や独楽などに張り付け、宿の店先で販売したことが始まりだと言われています。
麦わら細工の製造販売を行っているのは全国で二店舗のみ!?

俳優・小日向文世さん似の神谷俊彰さん(左)
麦わら細工の製造販売を行っているのは全国でわずか二店舗しかなく、その両方ともが城崎にあるのです。そのうちの一店舗「かみや民芸店」。こちらのお店の店主である神谷俊彰氏は、現在で三代目。俊彰氏の父、勝氏は2004年に皇太子殿下ご夫妻にご息女・愛子様の誕生祝いとして「大文庫・コウノトリ」を献上されました。栄華を極めた麦わら細工の職人も現在は4人ほどしかいないそうでで、職人の後継者不足を解消するためにご自身の活動と並行して、後継者の育成や普及活動に取り組まれています。

神谷氏のもとで日々修行されている田口さん(左)
今日からあなたも麦わら細工職人に!?

こちらの工房では、ポストカードやブローチ、ジュエリーボックスなどの麦わら細工製品を実際に作れる体験ができるのが最大の特徴です。
今回はジュエリーボックスを選択。神谷さんの丁寧な指導のもと、黙々と木箱にごはんで作られた糊を使って麦わらを貼っていくのですが、少しずれたり、爪が引っかかり表面に傷が付いたりと、とにかく難しいです。
小さな木箱でも気が付けば作業終了までに要した時間は、なんと一時間半。ただ、貼る作業の楽しさからなのか夢中になりすぎて、あっという間に時間が過ぎていったように感じました。
最後の仕上げや手直しは職人さんが行ってくださいますので、多少失敗しても大丈夫!安心して体験してみてください。

手直しされる前

手直ししていただいたあと。職人さんの手に掛かれば、拙劣な作品にも関わらず学芸会レベルまでに引き上げてくださいました。
かみや民芸店のアクセス・基本情報
【営業時間】 10:00 ~ 18:00
【電話番号】 0796-20-5206
【定休日】 不定休
【公式HP】 https://kamiya-mingei.com/shop/
新たに編集員として加わりました、噺家の桂ぎん次郎です。地元の方でもあっと驚かれるようなマニアックな観光スポットも発信していきますので、旅の参考にしてみてください。